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ボトルメールの送り主は、すぐに見つかった。
瓶が綺麗だから、投げ込まれてからそれほど時間が経っていないと分かったし、子供が四人しかいないこの島で、ノートの切れ端に書かれた拙い文字の心当たりは、ひとりしかいなかったから。
「大冴、これ」
私がボトルメールを見せると、大冴は小さな拳をぎゅっと握って、涙をボタボタ落とした。
「父ちゃん、また沖に出るって。こないだシャチに船を襲われたくせに。また、沖に出るって……」
「そっか。止めたかったんだね。心配なんだね」
「そんなんじゃない! バカだって、みんなバカなんだって教えてやってんだ。人間なんて、海じゃ弱っちい生き物で、だから陸に暮らしてるのに、わざわざ海に出るなんて……バカだ、バカ。みんなバカ!」
セミに負けない大きな声で泣く大冴を、私はそっと抱きしめた。
大冴の、張り付いたシャツの内側にこもる熱が、私の胸にじっとりと伝わってくる。
あつい。
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