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プロローグ
黒で覆われた世界。周りに景色と呼べるものは無く、まるで宇宙にでもいるかのような空間。光が無いはずなのに、目の前にいる彼の姿がはっきりと映っている。
呆然としている自分に、「おめでとう」と彼は言った。どうやら "キリ番" と言うものを踏んだらしい。キリ番とはキリのいい番号の事で、そこに居合わせた人に祝いの言葉を送るのが定例なのだとか。
そして意味の分からないことに、今から彼に殺されるらしい。何もめでたくない。
生涯最後の日。
一緒に楽しい時間を過ごしてくれたのは、友人としての情けだったのだろうか――
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