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協力者 服部省吾
純和風の作りのイタリアンレストランは、気軽に入れるのに提供される食事は本格的で年齢を問わずに人気の店だ。
「立食タイプにするなら庭園でパーティーにしてはどうでしょうか?」
ライトアップされた日本庭園に広めの芝生の庭があるそこで少人数でのパーティーの提案に桃花は納得しながら聞いていた。
「天気に左右されるのが問題ですかね?」
そう桃花が言うと服部はタブレットで雨の際のテントを張った状態の庭を見せながら。
「特注で雨でも楽しめるようには出来るようにしてあります。台風など風が強いケース以外は問題ないかと思いますよ。」
服部は、穏やかに紳士的に説明し料理の試食も用意してくれていてスマートにエスコートしてくれた。
「直哉さんは、社長と最終打ち合わせみたいですから時間もかかるでしょうゆっくりしてください。」
「一人は寂しいので服部さんご一緒してくれませんか?」
「いいですよ。喜んで。」
桃花は一つ一つ味わうように試食しながらコッソリと服部省吾を盗み見た綺麗な姿勢で食べる姿に服部警部の弟と聞いていたが警部より落ち着いているように見えるのは秘書という職業柄からかもと桃花は思う。
「服部さんは彼女とかいるんですか?」
「私ですか?いませんよなかなか時間がないもので。」
「お互い同じですね。」
何でも無い会話をしながら楽しく食事をしている様子を微笑ましそうに眺めていた二人がいた。
「なあ、雑賀よ。あの二人なかなかじゃないか?」
「一条社長もそう思いましたか?」
密かに桃花と服部省吾のカップリングを気に入った二人は仕事を通じてでも二人が接近してくれればと思っていた。
桃花は、なにしろダメな男ばかりと恋愛する癖があるから相手を選ぶ段階から目を光らせておく必要があると直哉は思っていた。
服部警部の弟と言うこともあり、しかもフリーで浮いた噂がない彼は優良物件だと直哉は思う。
「お待たせ―桃花。」
「直君おかえりー上手く行った?」
「もちろん?」
桃花は、いるはずの噂の一条社長をキョロキョロ探すがいない?
「社長は奥様を迎えに出たわよ。」
学校が終わりタクシーで向かって来ていると言う妻を迎えに出るって過保護なのか紳士的なだけか。
「一条は、夕食は必ず滅多なことが無い限り奥様が一緒なんです。」
服部は、そう言うと心なし嬉しそうに答える。
入口が騒がしくなったと思えば従業員達に挨拶されながら若い女の子が超絶イエメンと一緒に店に入って来た所だった。
「お客様がいらっしゃるなら部屋で待ってたのに。」
「これから付き合う相手だから紹介しておこうと思ったんだよ。設計士さんだから仲良く出来たら勉強になるよ。」
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