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鈴木ルイの母親は、今現在住んでいる家がまず嫌だと言う事。
それに、娘が離れて行くという不安もあり三世帯同居の家を新しい土地に建てるとなれば反対しないのではないかと言う事だった。
「でもお父さん資金はどうするの?」
「心配はいらないよ。金はあるし土地もある。土地はなお祖母ちゃんが買っていたんだ。」
「お祖母ちゃんが?」
「ああ、どっちも同居は辛かったんだよ。だから爺さんの遺産で購入していたんだがお前が可愛くて離れがたかったんだろう。」
「同居というのは家にいる人のプライバシーが無い状態になりますからね。」
服部がそう言うと桃花もそうだな~と思う。
結局話し合いで土地は鈴木家の土地で建物の頭金はお互いに折半にして建物は、安達良太の名義でローンを組むという離れ業になりそうだった。
ここで直哉がこういう事になった経緯を話した。
「この土地ね購入時は安く買っているのだけれど現在の価格はかなり高額な土地なのよ。だからもし売ったらかなり高額な税金が相続税にさかのぼってかかるし有効利用したほうが税金対策にもなるのよ。しかも親が子供の
住宅に支援してもある一定額までは税金はかからないのよね。そうなると新しく二人がマンションを買うよりこの土地を利用して新しく家を建てて今後に備えて三世帯にした方がいいわけよ。」
税金の問題も介護の問題も今後の子育ての問題も一気に片付く話で諸問題は、あるが一番いい落としどころとなっていた。
「しかもね、あの土地の付近は病院も多いし訪問看護や診療もあるのよ。だから安達さんのお母さんにもいい環境だわ。」
「そうですね確かに。」
簡単な図面はすでにできているという直哉はイメージ図までつけていたから桃花もビックリした。
「沙羅さんが描いてくれたのよ。」
服部はあーなるほどと頷いていた。
「優しい色合いですごく解りやすいね。」
鈴木ルイはそれをみて感嘆の声をあげた。
「これを持ってお母さんを説得するよ。」
鈴木ルイの父親はそれを持ってルイの母親を説得する事に自信をもっていた。
そしてその計画は、上手く行きお互いが顔を合わせて挨拶をして意外にも安達良太の母親と鈴木ルイの母親が意気投合して三世帯が集まれる場所まで追加注文があったというのだから急展開だった。
「有難うございます。」
「結婚式は、簡単にして写真を撮って家族で旅行に行く事にします。」
二人とも仕事があると言う事でそれぞれにキッチンはあるが、大きなキッチンとリビングを真ん中に何時でも集まれるようにした作りで和風や洋風なのもそれぞれの趣味がいかされた設計は、直哉は苦労していたが結婚して半年ほどで完成となる予定だった。
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