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田丸は千夏の頭を力強く叩いて、無理やりでも立たせた。
一方痛い足をこらえながら、真凜は千夏の代わりに取りに行くため舞台に駆け上がる。
舞台袖にある吸入薬を見つけた瞬間――体育館に鈍い音が響いた。
真凜が振り向くと千夏が倒れてた。
急いで吸入薬を千夏の所へ渡す。
「大丈夫?!」
「聞こえる?」
クラスメイト達がわらわらと集まって、千夏に呼びかける。
千夏の呼吸が荒くなっている。顔色も悪い。
「そんなのほっとけ! 走り続けろ」
「ほっとけません! ちな、大丈夫! 吸入薬よ」
「・・・・・・ちっ、今保健室の先生呼んでくるから」
田丸と校長は体育館から出ていった。
僅かな力を振り絞って千夏は吸入薬を吸う。
しばらくすると入れ替わるかのように「何があった?」と男性がやってきた。
青の警備服に胸には藤の花が刺繍であしらわれているのを着ている。藤ノ宮女子高校の受付兼警備を担当している人だ。
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