1章

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 男性は六十代だろうか。白髪交じりで大きな四角い眼鏡が印象的だ。  警備員の男性は千夏の姿を見て「誰か保健室の先生呼んで! 俺は救急車呼ぶから」  委員長の和田紬が「えっ、今田丸先生と校長先生が向かってるはずなんですが・・・・・・」と返す。 「えっ? あの二人が・・・・・・?駐車場に向かってるのみたよ。まあいいや、念の為に保健室の先生呼んできて」と警備員に言われ紬は保健室に向かった。  クラス全員が目を見合わせて「駐車場ってどういうこと?」「なにかあった時のために車を用意するつもりなのかな」のと不思議そうな顔をする。  しばらくすると紬とともに紺色のナースウエアに聴診器と血圧計を持ってきた女性を連れてきた。  保健室の高山(たかやま)先生だ。  すぐに千夏の血圧や脈拍、呼吸状況を観察と計測する。 「呼吸が荒いわ……何でこんな状態に?!」  高山は強い剣幕で真凜に尋ねる。
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