1章

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 真凜は田丸から集団行動の罰としてみんなで走ったこと、喘息を持っている千夏にも無理やり走らせたこと、田丸と校長が保健室に向かったこと。 「分かったわ。さっきは責めてごめんね。田丸先生と校長はこっちにきてないわ」 「うん、いなかった」  紬が保健室に行く最中も二人の姿はなかった。 「えっ? 何で?」  真凜は思わず聞き返す。  確かに「保健室へ行く」と言ったのを全員聞いている。  紬曰く廊下ですれ違わなかったそう。  体育館から保健室までは歩いて数分の所だ。  しかもそんなに迷うような場所ではなく、体育館の向かいの校舎の中にある。 「さっきも言ったけど、あの二人駐車場に向かうとこみましたよ」  石綿は十五時の定時巡回の最中に体育館から物音がしたので向かっていた。その最中に二人が駐車場に向かう姿を見たという。  体育館の裏側に教師用とスクールバスの駐車場がある。
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