1章

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 高山と一年二組のメンバーに怒りと呆れが入り交じる。  体育館にサイレンの音が近づいてくる。  石綿が救急車を誘導し、救急救命士の男性二人がやってきた。  担架に担ぎ込まれる千夏を真凜は黙って見ているしかなかった。  千夏は病院に搬送され、高山から一年二組の担任の佐田(さだ)、神原家に連絡。  授業は中止、すみやかにホームルームして、藤ノ宮女子高校の生徒達は下校した。  無関係のクラスは早く帰れて嬉しいと言わんばかりに下校する。  最終的に校内にいる先生達と警備員達で探したものの、二人の姿はなかった。  駐車場には田丸のワンボックスカーがなく、校長の白の高級車が残っていた。  警備の石綿から聞いた佐田は虚しさと怒りで言葉が出なかった。  職員室にいる他の先生方も同じようなリアクションだ。  これを一体生徒や保護者になんて説明すりゃいいんだ。
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