2章

4/22
前へ
/212ページ
次へ
 警備員に解雇処分、千夏は初めから藤ノ宮の生徒として存在してない扱いをされた。  保護者会の動画を今日だけで五回程見たが、やはり理解し難いというのがすずらんの感想だ。  体育の先生と校長がなぜそろっていなくなったのか。  そしてそのまま保護者会を開く神経が分からない。  「あっ、例の動画ですか? 私も見ましたけど、ないわー」  後ろから声をかけてきたのは同僚のである。 彼女もすずらんと同じ案件を頼まれている。  マッシュルームヘアーに白のTシャツにジーンズとラフな格好をしている。  彼女は写真の分析や加工が得意である。 「この女性が校長でしょ? 学校のホームページに載ってたわ。で、説明会の服装は……お金かかってるねー。体型にピッタリだからオーダーメイドかな」  校長が着ていたスーツは上下共に赤で彼女の体型にびっしり合わせて着こなしているような印象だった。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

105人が本棚に入れています
本棚に追加