純白は漆黒の影なれば

< 女への呪詛 >

　おまえのその無謬(むびゅう)の微笑みに紅い毒をまき散らしてやろう。おまえのその優雅な佇まいに朧(おぼろ)な呪詛をふりまいてやろう。そうしておまえは心から私に懺悔するのだ。

　枝垂桜(しだれざくら)のように美しく、そして曼殊沙華のように淫靡なおまえは、ただ私に平伏し、赦(ゆる)しを乞うのだ。

　それはおまえの運命(さだめ)であり、同時に私の希求でもある。おまえは、ただ私に屈服し、私の導きのもとにその鋭利な刃(やいば)を標的(ターゲット)の欲望まみれの血で穢(けが)すがよい。私の暗い魂の根底から歪(いびつ)な嗤(わら)がこみあげる。この崇高なる志(こころざし)に乾杯を。

　ああ、純白は漆黒の影なれば。