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山道もう少し進むと寺へと向かう脇道があった。華厳院の立て看板にしたがって私は脇道に入った。
華厳院はなるほど壮麗な寺院だった。寺の正面に位置する山門へといたる階段は圧倒的だ。段数としては100段以上あるのではないだろうか、私は天にせり上がっていくかのような寺の威厳に感服した。
階段を見上げた私は、足早に階段を上り始めた。ある程度、階段を上ったところで後ろを振り返った。遠くに連なる山々、そして広大な田畑とまばらな家々が見える。手前に視線を移すと、木々の狭間に私が登ってきた一本道が鳥観できた。
じつに崇高なロケーションだ。私は大きく空気を吸い込み、自身の肉体を浄化、活性化した。
山門をくぐると左手に古ぼけた寺の案内図が掲げてあった。色褪せたイラストとともに寺の境内の構造を確認する。山門の正面、境内の中央部に本堂がある。向かって右手に進むと奥院が控えている。その他、書院や講堂、金堂、太子堂、休憩所などいくつかの建物が確認できた。
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