サラナお嬢様とエヴァンの買い食い日記

オムレツと焼きそばはとても合う

「焼きそばパン～限定の焼きそばオムレツパン♪」
「そんなにはしゃいでいると転びますよ」
ややあきれ顔のエヴァンがいうと
「ふふふ。私は今無敵なのよ」
日傘をくるりと回しながら振り向き、エヴァンの持った限定焼きそばオムレツパンの包みを指さしてにっこり笑う。
「謎の自信はわかりかねますが、まずは食べる場所をさがしましょう」
２人は夕飯の買いだし中の親子が多い大通りを抜けて、静かな路地に入る。
木が繁りやや涼しくなってきた小道を進むと小さな公園があった。
「サラナお嬢様、どうぞ」
ベンチに敷かれたハンカチの上に元気よく座るサラナ。
待ちきれない！という顔のサラナから日傘を受けとり、カバンから食べるためのおしぼりや水筒などを出すエヴァン。
サラナは待望の焼きそばオムレツパンの包みを慎重に開き、ひと口かぶりつくと
「合う！卵が優しく包みこんだ焼きそば、そしてちょっぴりもちとしたパンが最高～」
そんな彼女の満足そうな顔を見ながらサラナに日傘をさすエヴァン。
ゆっくりと沈む夕日が２人を静かに包みこんでいく。