元婚約者と略奪女の末路

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元婚約者と略奪女の末路

彰と雪菜は正式に婚約が決まった。 結納が整ったと同時に婚姻届を出した。 今日は新居になるマンションに 家具が入ることになっている。 雪菜は仕事を退職することになっている。 店長である桂子は雪菜の送別会を アルバイト仲間と一緒に企画した。 柏原店から近くの居酒屋で 雪菜の送別会を開くことになった。 「みなさん、ありがとうございます」 「桂子店長と姉妹になるんですね。 雪菜さん、幸せになってください」 「ありがとう」 送別会は和気あいあいとしていたが、 送別会がお開きになって 家路に行こうとした時に事件が起きた。 なんと、久雄と三千代が店の前で 待ち伏せをしていたのだ。 「桂子店長、雪菜さん、大変です!」 「どうしたの?」 「例のストーカーが待ち伏せしてます」 桂子は居酒屋のスタッフに 裏口から出られるように頼んでいた。 バイト仲間は久雄と三千代のことを 要注意人物と認識していた。 「店長から許可が出ました。 これから従業員出入口に案内します。 帰り支度をしてください」 「野島さん、後はお願いします。 私は雪菜を連れて行きます」 「わかった」 野島貴志は雪菜の後任で入った セカンドマネージャーだった。 貴志は彰の親友で雪菜のことも知っていた。 彰からストーカーとなった 久雄と三千代のことを知っていた。 久雄と三千代が彰のいる松原店に 面接に来ていたことから 本社から注意喚起として聞いていた。 貴志は曲がったことが大嫌いだった。 それだからこそ、雪菜を不幸にした 久雄と三千代を許せなかった。 貴志は桂子と雪菜が行った後、 1人で居酒屋の玄関に向かった。 玄関前では久雄と三千代が待っていた。 久雄と三千代は雪菜を待っていたが、 雪菜が出てこないのでイライラしていた。 「ここで何をしているんだ」 「なんで警察が来ているんだ」 久雄と三千代は店からの通報で パトカーに乗せられていた。 久雄と三千代のやったことは はっきり言って自業自得だ。 この時のことを後日になって 貴志から聞くことになった。 「警察の話だと、あいつらは 自分たちが制裁を受けたのに 雪菜さんだけ何もないのが 許せなかったんだって」 貴志は久雄と三千代を見つけた時に 警察に通報したのだ。 パトカーに乗せられる時に 警察官に暴行を加えたことで 公務執行妨害というおまけがついた。 久雄と三千代は、この事件で 刑務所のお世話になった。 これで久雄と三千代が 雪菜に関わることはないだろう。 これから先は彰と一緒になって 幸せな家庭を築いていくことだ。 「雪菜、虹が出ているよ」 「きれい」 窓の外から虹を見ていた雪菜は これからの未来を彰と一緒に 歩いていこうと思っていた。
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