星屑の下で眠る

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「ううん、いいよ」  必死に謝る上村くんの顔を不思議な気持ちで見上げた。  日に焼けて、前より少し痩せたかもしれない。けれど変わらない、綺麗な目でこちらを見ている。  あ、そうなんだ。 「行こうか」  笑顔に戻った彼が私の手を取った。  何も意識することなく、前からずっとそうしていたように、私も彼に手を引かれて、出口へ向かう。彼の背中を見ながら、私はまるで決まったことかのように浮かんだイメージに思いをめぐらせる。  多分、私はこれから何度も、こんなふうに彼に手を引かれるんだろう。  そして二人であの星空を思い浮かべて、おやすみと言葉を交わし、眠るだろう。  宇宙まで見渡せるような空に、真っ白な雲が浮かぶ。駆け抜ける風は、かぐわしく澄んでいる。  信号が変わり、大勢の人とともに、上村くんと私は並んで歩き始めた。  日差しが、純白の祝福のように降り注いでいた。
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