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雨のうち虹
最近、友理奈が元気がない。何か悩んでいるのだろうか。
一緒に帰ると騒ぐ女子がいるので一緒に帰る事がなくなったといってもいい。
僕は今公園の中で足を止めている。
「夕哉」
「友理奈。今帰り」
「うん。夕哉も」
「うん。今帰りでなんとなく公園に来た」
「そうなんだ。公園の所に夕哉がいたから来てみたの。何かあるのかなって」
「そう言う訳じゃあないよ。なんか久しぶりに友理奈としゃべった気がする。不思議な感じだ」
「そうだね」
「友理奈。いじめられてない。大丈夫?」
「うん。大丈夫、ありがとう」
久しぶりにしゃべったのに言葉が出てこない。
「あのね、夕哉。夕哉はやっぱり私と会ったことがあるんだね。思い出せない?」
友理奈の言葉に戸惑った僕は黙ってしまう。
なんとなく、霞がかかった頭で思い出せそうで出せない。今は安易に答えていい質問じゃあないから。
「ごめん」
「いいの」
「友理奈!」
友理奈が走り出した。慌てて追いかける僕。
「友理奈、危ない!」
「!」
友理奈が転びそうなところを僕は友理奈の手を掴む。
「!」
『大丈夫、友理奈ちゃん』
『うん。ありがとう夕哉君』
「ありがとう、夕哉」
「もしかして前にも友理奈の事助けた事あった?」
「えっ……」
「なんか、そんな……気がする」
「思い出したの!」
そこで友理奈が僕の記憶の事を智樹と健祐から聞いた事を話してくれた。
「二人から話を聞いたんだね」
「うん。ごめんなさい」
「いいよ。気にしないで」
「思い出したの?」
「分からない。でもそんな気がする」
「ゆっくりでいいから」
「ありがとう」
「ねぇ、夕哉」
「ん?」
友理奈が真っ直ぐ僕を見た来る。
「私ね、夕哉が好きなの。小学生の時に助けてもらってからずっと」
「ずっと……」
「うん。ずっと。転校してしまった時でも。今は戻ってこれたけど」
「……」
「私ね。ずっと待っているから」
「それって」
「記憶が戻ろうと戻らないとしても、夕哉の返事待っているから、あとで答え聞かせてね」
「今、答えるよ。僕も友理奈の事好きなんだと思う。いつの間にか友理奈の事を気にしていたから。でも……友理奈自信は確証な言葉が欲しいと思うから、やっぱれり待っていて」
「うん。待ったいるよ」
お互いに言いたい事を言ったあとに二人して空を見上げた。
そしたらはっきりと見えるきれいな虹が架かっていた。
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