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次は佐藤しずく
「ウザくないくらいに愛への愛を小さくした」とナイト。
「え?」
「木村くん、ウザかった」と愛。
木村くんがお泊りの準備をしている間に話をする透たち。
「なるほど。確かにウザかったな」
「透の親友だから、少しは我慢する」
「僕も」
「それは助かる」
「ついで。木村母と木村妹もお持ち帰り」
「なるほど」
「愛、やっちゃって」
「うん」
「ナイト、ウザくなくして」
「うん」
愛のラブラブ攻撃で木村母と木村妹もお泊りに来ることに決まった。
透の家の両隣も透の所有なのだ。
なるべく隣人と関わりたくないから両隣も購入したのだ。
定期的に家政婦さんを入れてきれいにしている。
右の家をクリーニング中は真ん中か左の家に住む。そんな感じ。
右の家を木村家に月1万円で貸すことに決めた。
無料でもいいけど、流石に無料は何だかなと思ったから。
・・・・・
「ここって……超有名な高級マンション!」
「……俺でも知ってる」
「本当に……ここに月1万円で住めるの?」
「住むの、嫌かな?」
「「「住みます!」」」
「それは良かった。俺は友人が少ないから」
「いくらでも兄をパシリに使って!」
「おい」
「そう、使ってくださいね」
「母さん」
「おばさん、妹さん、優馬くんをそんな風に言ったら駄目だと思う。家族は本当に大切だから。それに、優馬くんは俺の大切な親友です」
「と、透くん! 僕はうれしいよ!」
「谷口さん……兄さん、ごめんなさい」
「谷口くん、優馬、ごめんね」
「いえ。少し言いすぎました」
「「「とんでもないです」」」
透を崇拝するようになった木村親子だった。
・・・・・
極上(松)寿司を出前でとった透。
「「「最高です!」」」と木村親子。
「「「美味い」」」と豪運トリオ。
「木村くんのお母さんは仕事は何を?」
「スーパーで惣菜部の主任をやってます」
「そうですか。良ければ我が家の家政婦をしてもらえませんか? 月給はスーパーより多めに出します」
「やります」
「そんなにすぐに決めなくて良いんですよ。家政婦をしなくても隣の家はお貸ししますから」
「いえ、スーパーも派閥とか大変なんです。ここで家政婦をして給料がスーパーより良いなら最高です」
「なら、お願いします」
「谷口さん。私にできるアルバイトはないですか?」
「妹さんのアルバイト……勉強の妨げにならない程度でお母さんの手伝いかな。月に5万円で」
「そんなに!?」
「無駄遣いは駄目だよ」
「はい。やったー。お母さん、最新のスマホ買っていい?」
「アルバイト代でならいいと思うけど。母さんは払わないわよ」
「もちろんよ」
「優馬くん。俺は会社を経営しようと思ってるんだ。勤めてるスーパーが嫌になったりしたら、俺の会社を手伝ってくれるかな」
「スーパー、入ったばかりだし。3年後くらいに嫌になったらお願いするかも」
「分かった。その時はよろしく」
「うん」
木村親子はすぐにでも透の家の隣に引っ越してくる事に決まった。
・・・・・
「次に拉致監禁するのは佐藤しずく」
「拉致監禁はしない……そんな感じになるのか」
「無理やり隣の家に引っ越し」
「そうだな」
「でもここは『日本で住みたいマンションランキング』1番人気のマンション」
「そうらしいな」
「佐藤しずくの居場所は木村優馬が知っている」
「そうか……マジ?」
「木村優馬は木村しずくが好きらしい。あんな事をしてる幻想をキャッチした」
「そうか、あんな事を」
「うん」
「じゃあ、優馬に聞いてみるか」
「うん」
親友だから「優馬」「透」と呼ぶ事に決めたのだ。
翌朝、木村親子を都営団地に車で送る時に優馬に尋ねる透。
「優馬、もう1人証人が必要なんだが、女性がいいんだ」
「女性? なら、母さんで」
「あ、喜んでやりますよ」
「いや、まほろの親友じゃないと駄目なんだ」
「あ、なるほど。証人は透とまほろさんの親友ってことか」
「そう」
「親しい女性はいないのか?」
「えっと……ここではちょっと」
「あ、すまない。後で教えてくれ」
「今週のシフトは……仕事が終わって家に帰るのが午後9時だから、えっと……僕の家で話す?」
「今日から優馬は俺の家の隣に住めばいいだろ」
「いいの?」
「暇だからスーパーに車で迎えに行くよ」
「いいの?」
「ああ」
「透様、私も今日からマンションに住んでいいですか?」
「未成年だから、親の許可があれば」
「お母さん、いい?」
「あんた、音楽聴いたり騒がしいからね。静かにするなら」
「おばさん、マンションは超防音です」
「あ、なら大丈夫ね」
「やったー」
「暇だから、高校の帰りは車で迎えに行くよ」
「透様、いいんですか?」
「暇だから」
「ありがとうございます」
「部活はしてないの?」
「週に3回、茶道部です」
「今日は?」
「休みです」
「これ、俺のアドレス。帰る1時間前くらいにメールして」
「分かりました」
「あ、高校の住所もメールして」
「あ、はい」
働いてないから、暇を持てあましている透だった。
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