Princess Vivid

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漆黒の闇に煌めく閃光 雨音のように、遠くでさざめく銃声 血塗れた真紅のカーペット 虹の輝きを放つジュエリーは、月をも魅了させる 今宵、私はたった一人のシンデレラ さぁ、甘美な地獄を、とくと御覧あそばせ 戦争で父を亡くした私に与えられたのは、 継母と義姉達による、厳しい躾だった。 一から叩き込まれた、殺人スキルや武器の取り扱い。 闇の組織からの「舞踏会の招待状」 …もとい出撃命令が届く頃には、 私は美しく鍛え上げられた身体を手にしていた。 が、継母は私に言い放った。 「悪いわね。この戦闘機は三人までしか乗れないの。 貴方には、お留守番がお似合いよ …せいぜい一人で、生き延びるがいいわ」 愛する家族を失った私に闇の組織のゴッドマザーが握らせたのは、 ガラス細工のように美しい拳銃だった。 「これは、貴女を助けてくれる魔法のアイテム。 必ず王子様のハートを射抜いてくるのですよ、シンデレラ」 「えぇ、二本の時計の針が夜空を仰ぐ前に、 きっと宴は終わらせてご覧にいれましょう」 生きていくためには、選択肢なんてなかった 私は戦場のシンデレラ 煌めくガラスの銃が見つめるのは貴方だけよ、愛しい王子様 でも、気を付けて おとぎ話の彼女のように、 幸せを待ってるだけのプリンセスじゃないから 私が輝けるのは暗闇があるから 傷も涙もグラスで飲み干して 今宵私はたったひとりのプリンセスになる
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