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レオモール109、今、かき氷屋さんフロンティアで、美緒と一美と私はかき氷を食べている。 「う~ん!冷たくて甘くて美味しい!」  三人で声を揃え、シロップのかかった冷たく甘いかき氷に舌鼓を打つ。美味しいかき氷を頬張ると、口いっぱいに広がる冷たさが、火照った体に涼しさを運んでくれる。  冷たく甘いかき氷を暫く堪能していると、美緒が本題を切り出してきた。 「そう――夏稀、涼太先輩には、夏祭りのいつ、どうやって告白しようか」  キンキンと冷えるかき氷を頬張りながら、私の恋について語らう。その恋を成就させようと、私も真剣になる。 「そうね。まずは、先輩を夏祭りに誘わないと。そこから始めてみなきゃ」 「そうよねー」と美緒と一美が声を揃える。かき氷をまた頬張り、一美が「う~ん、キンキンする!」と唸り、その後、前にあった事を振り返る。 「夏稀、やっぱり涼太先輩の事好きなのよね~。中学二年の時から想い続けてるなんて、凄いわ。高校に入学してからも好きだなんて素敵よね。私達にも話してくれたものね、涼太先輩への想い」 「うん、やっぱり好きだなって自覚したわ、あの時。美緒と一美もありがとうね、相談に乗ってくれて」  高校に入学し、佐伯先輩に中学二年の時の感謝を述べてから、美緒と一美にその事を話した時……。二人は、私の恋の成就に協力すると申し出てくれた。私も、自身の想いを口にする。 「佐伯先輩、優しくて、思いやりがあって……。私やっぱり佐伯先輩の事、好きだな」  私は恥ずかしいけれど、自分に素直になれた。想いは、私の中にしっかり息づいている。  美緒と一美はニヤニヤしているが、何だか嬉しそうでもある。 「中学、高校と二年越しの恋なんていいじゃない!夏稀、協力するわ」 「高校生の恋愛なんて夏稀、それを応援する私達も青春してるのかな?何だかウキウキする!」 「ありがとう」と私も感謝する。素直に二人の協力が嬉しく、温かい心持ちでいられた。  フロンティアでかき氷を食べながら、私の恋の作戦会議。冷たくて甘いかき氷を食べていると、話も楽しく和気藹々と行える。 「でも、肝心の、夏稀を夜の星空を見に涼太先輩が誘ったのって、もう二年前なのよね。夏稀、その時から好きなんでしょ?」  「うん、その時に好きだなって自覚した」と美緒に答える。「涼太先輩、その時の事どれくらい思い出に残ってるかなぁ」と美緒は心配した。 「でも、例え二年前の事でも、好きでもない女の子のことを、夜、星空を見になんて誘う?いけるんじゃないかな」  一美が美緒の心配を払拭してくれる。そして、「脈、あるんじゃない?」と念を押す。 「脈、あるかな?」  さっき心配していた美緒も、「うん、そうね。頑張ろう!きっと上手くいくよね!」と明るい笑顔で振る舞ってくれる。一美は「いけるわ!」と私の背中を押してくれた。 「うん、頑張るわ!夏祭りに告白するって決めたものね!」 七月の上旬、放課後。吹奏楽部の部室へと歩いていた私達三人は、天文部の前を通る。そこでは、佐伯先輩を中心に、部室にプラネタリウムを作っていた天文部のメンバーがいて、天文部の部室にはとても綺麗な星空が広がり、一つ一つの星の彩りが、狭いはずの部屋を雄大で広く感じさせる。テキパキと活動する佐伯先輩がかっこよかった。 「決めた」  私は自身の決断に、想いを込める。美緒と一美が「何?」と言って、私の方を振り向く。 「七月の街の夏祭りで、私、佐伯先輩に告白する!」  美緒と一美が「わー!」と歓声を上げる。私は自分の想いが揺るぎないと感じると、少し不安でいながら、どこか勇気が湧いてきていた。
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