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夏の日の暑い時分、冷たいかき氷は、火照った体に涼しく心地よい出合いを運んでくれる。夜空の星々は瞬き、地上と天空の幻想的でロマンチックな雰囲気が、二人を優しく包んでくれる。  熱い日差しが降り注ぐ。夏の陽光は、この街に暖かさと暑さを運んでくれる。日中の暑さは少し体に堪えるけれど、夜はまだ暑い中にも、風が頬をくすぐる様に涼しい。七月の中旬、梅雨が明けて、夏が通り過ぎる様にこの街を染めてゆく。私は、また夏がやってきたなとこの季節を楽しみ、心を弾ませていた。  日曜日、街の公園。友人達と遊ぶ約束をして待っていた私は、公園の噴水の前で、暑さを凌ぎ涼んでいた。 「夏稀(なつき)~!」 「お待たせ~!」  私を呼ぶ美緒(みお)一美(かずみ)。二人とは、中学時代からの友人だ。三人で同じ高校に通っている今でも、私達は仲良しでいる。今日は街の公園で待ち合わせして、三人で、街で有名なショッピングモール、レオモール109に遊びに繰り出す予定でいた。――それから……。 「美緒、一美~、一緒に来たのー?」 「うん、家を出てしばらく歩いてたらバッタリ会っちゃって、一美と一緒に来ちゃった」 「美緒、約束の十時に遅れると思って、急いで走ってたのよ。時間を間違えてたみたいね。普段学校寝坊気味だから、十時にも遅れると思ってたみたい。今九時五十三分でしょ。もう、間に合うからって諭すの疲れちゃった」 一人文句を言う一美に「それは言わないでよね」とぶうたれる美緒。私は「ははっ」と苦笑して二人のやり取りを見ていた。 「それにしても夏稀はやっぱり早いわね。学校に遅れ気味の私は感心しちゃう」  美緒の褒め言葉に「ただ早起きなだけよ」と私は謙遜してみせる。 「それより、今日はレオモール109で何する?」 「夏稀――今日はそれより……」 「そうよ、今日は夏稀の為に集まったんだから――」  二人が、打ち合わせをした様に声を合わせる。恥ずかしくなってしまう。 「もう、それはレオモール109で寛いでからって話してたじゃない……」 「いいじゃないのー、今日はその為に来たんだから、涼太(りょうた)先輩とはどうなるかなー」 「夏祭りに告白するって言ってたじゃない。上手くいくといいわね!今日は作戦会議よ!」  美緒と一美の想いは無にできないけれど、今ここで話すのは恥ずかしい。私は「じゃあ、レオモール109に行くわよ」と恥ずかしさを隠し、二人を促し歩みを進める。
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