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戦乱の世は混沌としており、まだ人と、人ならざるものの境目がハッキリしないまま暮らしていた。
人ならざるものはまだ形を成しておらず、靄だったり霧だったりに身を隠していた。
それを利用し、中には人に悪さをするものもいた。
そいつらは確かに存在するのに、視界に写らない。
人々は日々怯えて暮らしていた。
だが、そんな人ならざるものが見える特殊な人間もいた。
その男は、浅桜庄右衛門。
忍びの者だが、訳あって今は身分を伏せて、路銀を稼いでいる。
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