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「……それ以上動いたらお前の事嫌いになるからな」
「き……嫌いになるって言うなら……」
「言うなら?」
「……泣くぞ!」
「どんな脅し文句だよ!」
すでに泣きそうな顔をしてるダイチにため息しか出ない。そんな俺の様子に必死にダイチは食らい付く。
「何で……何で俺じゃダメなんだ!」
「俺はかわいい子が好きなんだよ」
「じゃあ俺の事ルンルンって呼んでいいから!!」
「だから何でだよもぉっ!!」
お前がルンルンになったところでムキムキ野郎なのは変わらねぇだろが。
ムキムキなのも野郎なのもお断りだ。
「……いい加減どけって」
「……嫌だ」
「ホントに泣きそうな顔するな! 俺なんか片手で簡単に押さえ込めるくせにそんな俺なんかに泣かされてんじゃねぇっての!」
「……え?」
あまりにも情けない姿に呆れて思わず出た言葉。
これが良くなかった。非常に良くなかったのだ。
「おい!? 何してんだ……っ」
俺をベッドに押し倒したまま、俺の両手を頭上でまとめて片手で押さえられた。
抵抗しようとしたが、俺の力ではピクリとも動かなくて腹が立ったので睨みつけてやった。
「おっまえ……何の真似だよ!」
「いや……ホントに片手で押さえ込めたなと思って……」
「そうかよ良かったな! 俺を片手で押さえ込んだ感想は!」
「罪悪感がすごい」
「だろうな、早く離せ」
「でも……背徳感と征服欲でめちゃくちゃ興奮してきた……」
「今すぐ離せぇぇえっ!!!」
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