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一〇分後にタクシーの運転手から電話があった。
会計を済ませ、彼女を抱えて店を出た。すっかり意識を失った女の体は重かった。特に今回の女は若い頃にスポーツをしていたらしく、スリムな体型ではあったが、身長が一七〇センチを超えていた。そのため、重かった。
エレベーターに乗せ、六階から一階まで下りた。彼女を抱えて雑居ビルから出ると、目の前にタクシーがハザードランプを点滅させて待機していた。女を担いだままタクシーの窓を叩くと、後部座席のドアが開いた。女を押し込み、自分もシートに乗り込んだ。
「与野まで」
そう言うと、タクシーはドアを閉めて池袋から走り去った。
(続く)
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