(一)

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(一)

 女のグラスに薬を入れた。  女が戻ってきた。 「そろそろ出ようか」  そう言われて女はグラスの中身を飲み干した。そしてグラスをカウンターの上に置いた。 「おやすみ」 「なあに? 次のお店、行くんでしょう?」  その後、女と他愛もないことをしばらく話した。女は急速に酩酊し、ついにカウンターに突っ伏して寝てしまった。  俺は携帯でタクシーを呼んだ。終電まではまだ時間があるからすぐにつかまえられた。  タクシーがくるまでの間、女の体を揺すったが女は目覚めなかった。 (続く)
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