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本棚に追加 理久矢くんに密着したまま一人でジタバタしてしまった。
「はは、やっといつものスミになったな。最近ずっと他人行儀というか、俺のこと避けてたし」
「えっと、そういうつもりじゃ……」
「変だと思ったんだよな。だって、スミ、俺の顔好きでしょ? 三人の中でも、一番俺の事見てる」
う、バレていないと思っていたのに……。
「ごめん、不快にさせて」
「何言ってんの? 嬉しいよ。俺もスミのこと大好きだから」
「大好き」という言葉にゾクゾクした。
何万もの人から羨望される理久矢くんが、紛れもなく僕に対して放った言葉だ。
「ありがとう、理久矢くん」
照れてしまうのを隠せないでいると、理久矢くんはニヤッと色っぽく笑って僕のほっぺをつねる。
「なぁ、ギターに興味あるならスミも触ってみる?」
「え、いいの?」
言葉通り本当に軽く触らせてもらうだけのつもりだったのに、なぜか僕はギターを構えさせられている。
そしてなぜか僕は理久矢くんに後ろから抱き寄せられ、広いソファで一人分のスペースに二人でキュッとなって座っている。
「左の指はここを押さえて、もっとこうして……」
さらには細くてしなやかな指が、僕の指を丁寧に弦に誘導する。
指の冷たさには慣れたけど、唯一無二の音色を創り出す理久矢くんの指だと意識した途端に緊張してしまう。
「ほら、鳴らしてみ?」
「えっ」
僕はギターに触るのさえ初めてで、どのくらいの強さでどう弦を弾けばいいか全く分からず困惑してしまった。
すると空を切るだけだったの僕の右手を理久矢くんが掴んだのと同時に、僕の指は弦を揺らしていた。
――……っ
綺麗な和音が響き、胸が高鳴る。
「わ、すごい……」
「いい音色だよな。これ、俺が初めて鳴らした音」
当たり前だけど、理久矢くんも最初はギター初心者からスタートしたんだよなと、感慨深い気持ちになる。
「この音色を聴いて、俺はギターに惹かれたんだ」
理久矢くんの方を向くと、うっとりとした顔でギターを見つめていた。
――あぁ、もうこの顔は未来永劫、人類の宝だ。
理久矢くんが僕の指をスリスリと触りながら「もっと鳴らしてみる?」と提案してくれた。
「うん、やってみたい」
「いいよ。……あれ、スミ爪割れてるじゃん。これだと弾けないから、」
僕の爪割れに気付いた理久矢くんはズボンのポケットに手を入れる。

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