朝の寄り道

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 要が帰ってから、私は布団の上に転がった。一日の疲れがどっとくる。 「…要はなんであんな無茶するかなぁ」  ぽつりと、そんな愚痴をこぼした。何度言っても怪我をするし、私のことなんて見もしない。 「ボールを頭にぶつけて、火傷して…」  今日は、私のことを庇っていたけど。いつもはどうだっただろう。  火傷をした日は、私がお湯を沸かしていて、気が付いたら要の腕にお湯がかかっていた。他の時だって。  いつも、私を庇って。  すっと、血の気が引いた。私のせいで、要は怪我をしていたなんて。突然、要の隣には私はいらないんだと、知ってしまった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!