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白いレースのカーテンの裏に太陽が透けて見える。室内は透き通った淡い光で満たされている。
起き上がってぐっと体を伸ばす。
ああ、こんなにぐっすりと眠れたのはいつぶりだろう。もしや、まだ夢を見ているんじゃないだろうか。
僕はそっとベッドから離れる。床についた足はふわふわと軽い。
本当に夢みたいだ。
窓外の小鳥たちも、まるで祝福してくれているかのように歌っている。
歓喜で満たされたこの空間に、ずっといたいと思った。
漂流する丸太棒のように、心地よい細波に乗って、僕はぷかぷかと揺られている。
その周りを赤や白、それから斑の入った金魚たちがくるくると泳いでいる。
誰も僕たちを追い出すことはできない。
ポイよりも大きな——例えばタモのようなものを持って掬おうとする人がいたとしても、その世界は変わらなかっただろう。
深夜。
民家だらけの街中の、電線だらけの空に花火が打ち上がる。
僕は顎を上げる形で頭を肩に乗せながら、ぽけーっと夜空を見上げる。周りの人もそんな人が多い。
オレンジ、黄色、緑色、水色、赤、白、ピンクの閃光が無機質な空を彩る。
ボッボッと鼓膜を揺らすような音。人々の歓声。
胸のすく煙の匂い。
辺りに立ち込める熱。
僕は今、祭りの真っ只中にいる。僕はその空間で息をしている。
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