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さてと。それじゃあ僕もそろそろ帰るとしようかな。
彼女の自宅は、駅前から徒歩十分のところにあるけど、夜の八時に女性が一人で夜道を歩くなんて、危険が多すぎる。
だから僕が彼女を守ってあげなくてはいけないんだ。
この世の中には、“ストーカー”なんていう、犯罪予備軍も大勢いる。彼女をそんな危険な連中から守るのがいまの僕の使命なんだ。
いけない。青信号になった。
僕はアイスコーヒーを飲み終えると、大慌てで喫茶店を飛び出して彼女の後を追いかけた。
そしてこれが信じられない話なんだけど、ハイビスカスさんの住んでるマンションは僕の住んでるマンションの真向かいにある。
彼女の住まいの警備は厳重だから、彼女がマンションの自動ドアをくぐった時点で僕の勝利は確定するということだ。
つい先日、試しに忍び込もうとしたけど警報を鳴らされて失敗したので、万が一にも彼女が暴漢に襲われることはないだろう。
でも神様は本当に悪戯好きだよ。こんなにも近所に住んでるなんて。
きっと僕たちは赤い糸で結ばれているんだ。そうに決まってる。
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