sideB:stalker

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 ──ただいま。ハイビスカスくん。そしておかえりなさい。  (いと)しのハイビスカスくんの住まい─真向かいにある四階のマンションの部屋─の明かりがついて、わたしはほっと胸を撫で下ろした。  良かった。今日も帰って来るのが早かったんだね。私と帰って来るタイミングが一緒。それもこれで通算三十六回目。   やっぱり私たちは、運命の赤いハイビスカスで結ばれてるんだね──。  私がいま住んでいるのは、ワンルームマンションの六階。この部屋は日当たりが悪くて、洗濯物が乾かないから不満だけど、贅沢はいってられない。ここからならハイビスカスくんの住まいを一望できるのだから安い代償というものだ。  私は大好きな推しの為なら、これぐらい我慢できる。きっとハイビスカスくんだって、そんな女性のことを好きだと思ってくれるに決まってる。
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