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一緒にいて楽しくて、尚且つこういう意外性を感じさせる歩夢に興味をもったのは数ヶ月ほど前のことだった。そうなると、坂道を転がり落ちる勢いで惹かれていった。
歩夢が女子から人気過ぎてこの恋が怖いもの知らずだという自覚はあったが落ちてしまったものは仕方ない。とはいえ、選り取りみどりの歩夢から引き当てて貰える確率は限りなくゼロに近い。
何から何まで平凡な夏奈。背丈はほぼ平均身長だし、成績は中の中で、容姿だって際立った特徴がないと自覚していた。強いて言うなら髪の毛が天パがかっているくらい。それだって、そんな人山ほどいるからアピールポイントにもならないだろう。
そんな夏奈なのに、なぜか今はオモチャのように歩夢から気に入られているようだ。この状況は、一生分の運を使い果たしているようで嬉しくもあり不安でもあった。
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