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「確かに暑いから夏休みにしてんのに、昼頃夏期講習終わらせるのって意味ないよね。一番暑い時間に帰宅させるなんて」
違う話題を振ったものの、夏奈が話を戻して歩夢のボヤキに答えた。
「だー! 夏奈ー。急に話を戻すなよ、わけわかんねーだろ。聞いてないと見せかけて聞いてるし、話は飛ぶし」
うっすら汗を掻きながら、夏奈は「だって」と心の中で呟いた。本当は緊張しているから、話に集中できないし、脳内はあれやこれでパンク状態なのだ。
「まあいいけどさ。んで、今日も寄るんだろ? どうせ」
歩夢は視界に入って来た青い看板のコンビニを顎でしゃくって言っている。夏奈は頷いて
「付き合ってくれなくてもいいよ?」
と、様子を窺うが歩夢の自転車はユラユラ蛇行して、うんでもなければすんでもないままコンビニに向かっていく。
答えない癖に歩夢はコンビニの前で自転車を停めるし、勝手にどんどん店内に入って行った。夏奈もそれに続く。
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