第6話『パートナーに花(ギフト)を』

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第6話『パートナーに花(ギフト)を』

古備田(ふるびた)病院・病室入口    扉が開いたままの病室。室内のベッドに人はいない。    入口の壁には『花柳すみれ』と書かれたネームプレート。ネームプレートを外す看護師の手。 ○同・受付    坂東響紀(16)がカウンターの前に立っている。奥には看護師(26)の姿。 看護師「花柳さんは、転院されました」 坂東「転院!? どこの病院ですか?」 看護師「個人情報は教えられませんので」    がっくりと肩を落とす坂東。 ○皇手筋(こうてすじ)城・城門    城門の奥に黒い天守閣の城。    空は雲に覆われている。 ○同・振攻会会議室    長机を囲み座る四人の振攻会メンバー。    椿姫の椅子は空席。    日沼冬舞輝(17)があくびする。 冬舞輝「椿様がいない会議って退屈」    椅子に座る仲沢ロビン(30)。仲沢の胸にもたれる仲沢玲(29)。 仲沢「他のヤツらは?」    スーツ姿の神酒谷消吾(43)が書類に目を通しながら、 神酒谷「鬼頭と的井は炭鉱跡。秋内千華は、通院中」 玲「飯綱は?」 神酒谷「知らん。祭谷とかいうヤツのところだろう?」 仲沢「あんな男と一緒にいて、何が楽しいのか」 玲「ロビンが一緒なら私はいつでも楽しいわ」 仲沢「人前でよせよ、玲。俺も一緒だけどな」    白けた顔で見つめる冬舞輝と神酒谷。    会議室の壁際のスクリーンが点灯する。スクリーンに『音声通話』の文字。 椿姫の声「気の緩んだ会議だな」 冬舞輝「椿様!?」    と姿勢を正す振攻会メンバー達。 椿姫の声「ロビン、玲!」 仲沢・玲「はっ!」 椿姫の声「次の演舞はお前達だ。良いな」 仲沢「お任せ下さい」 玲「私たちのコンビネーションで椿様に必ず勝利をお届けします」 椿姫の声「(笑い)それは楽しみだ。冬舞輝!」 冬舞輝「何でしょうか。椿様!」 椿姫の声「留守は任せる」 冬舞輝「はいっ! おまかせください!」    と冬舞輝の目が輝く。    スクリーンの『音声通話』の文字が消える。 ○同・廊下    岡田(29)が扉に張り付き、聞き耳を立てている。 ○鳥出(とりで)山鉱山跡・上空
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