第6話『パートナーに花(ギフト)を』

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椿姫「そうだ。どこへ行き、誰と会い、何を為したか。全てを調べ上げろ!」 日沼「畏まりました」 椿姫「ついに見つけたぞ、祭谷」    笑みを浮かべる椿姫。 ○JNGX社・監査室    デスクの前で椅子に座る祭谷。祭谷の大きなくしゃみ。    祭谷の前に立つ中山(29)と岡田。 中山「風邪ですか?」 祭谷「誰かが噂しちゅう。そんで椿姫の居場所は?」 岡田「不明です。しばらく留守にするそうですが」 祭谷「そうか……そんじゃ改めて、椿姫の秘密、探そうかー!」    と立ち上がる祭谷。 ○帯屋町高校・地方部倉庫・外観(夕)    地方部倉庫を夕日が照らす。 ○同・地方部倉庫・室内(夕)    気怠そうに机にもたれる坂東。    倉庫内には、大破した地方機OBI-1が放置されている。    坂東が、机の上の(美歩の)割れた鳴子を見つめる。 坂東「どうすれば美歩先輩を救えた?」    坂東を心配そうに見つめる山村沙羅(16)。その隣に若柳鳴(16)。    坂東は鳴と沙羅に気付いていない様子。 沙羅「鳴が来る前の響紀に戻っちゃった。ああなると何も手が付かないの」 鳴「……」 沙羅「鳴、何か言ってあげてよ!」 鳴「なんで、私が?」 沙羅「響紀のパートナーでしょ」 鳴「パートナー……」    沙羅に背中を押される鳴、坂東の前に立つ。 鳴「響紀、あなたの今のパートナーは誰?」    鳴に気付き、顔を上げる坂東。坂東の返事はない。 鳴「ダメね。私にはボーッとしてるヒマなんて無いから!」    鳴がくるりと背を向け、扉へ向かう。 沙羅「ちょっと鳴! どこいくの?」 鳴「演舞の練習よ!」 沙羅「響紀はどうするのよ?」 鳴「沙羅が励ましたら? 上手くいけば響紀のパートナーになれるかもね」 沙羅「(照れ)私が響紀のパートナー!」    無視して出て行く鳴。 沙羅「鳴!」    坂東が気怠げに立ち上がる。 沙羅「(驚き)どうしたの響紀!」 坂東「帰る」 沙羅「地方機の整備はどうするの!」    無視して出て行く坂東。 沙羅「もう、皆勝手なんだから!」    と沙羅が頬を膨らませる。
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