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「彼が、これからは、お父さんの代わりに美咲を育ててくれる。
名前を、ハヤテというんだ」
そう言って、お父さんが、紹介したのは、美咲より少しだけ年上の少年だった。
美咲は、その時、13才。
ハヤテは、どう見ても、16才くらいだった。
少し、陰りのある、きれいな少年だった。
美咲は、お父さんの隠し子かと思った。
腹違いの兄かと。
しかし、お父さんは、とても真面目な科学者だったし、もう、その頃には、ガンで、闘病していて、余命がなかった。
お父さんは、それから、しばらくして亡くなった。
そして、ハヤテは、お父さんの代わりに、美咲の保護者になった。
「美咲! 起きて! 学校に遅れるよー」
ハヤテは、毎朝、寝起きの悪い美咲を起こしてくれた。
「ご飯、出来てるから」
「もう、いい。いらない」
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