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ある日。その夜もまた、Kさんは深夜までベッドに寝そべって漫画を読んでいた。
そしてまた、ふっと電気が消えた。
真っ暗になった部屋で、Kさんは読みかけの漫画を脇に置き、
「消灯ですよ」
と、おばあちゃんの言葉を真似しつつ布団を被った。
そのとき、枕元に置いてあったスマホにメッセージアプリの通知があり、画面が光った。
暗闇だった部屋が、うっすらと照らされる。
Kさんは、衝撃で叫ぶことさえできなかった。
見たことのないおじさんがベッドの横に立ち、眼球のない、空洞の両目で自分を見下ろしていたのだ。
「ショ……ウトう、……で、スヨ」
抑揚のない低い声を聞いたところで、Kさんの記憶は途絶えている。
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