二度目の依頼も同じ人

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(くさい……)  先野の嗅覚がそう告げていた。  外井千咲に殺人の動機がないとはいえない。だから警察に疑われた。  千咲は、証拠がないから逮捕されない、と言ったが、清廉潔白だとは言わなかった。つまり証拠が上がれば犯人たりえるということなのだ。だがその証拠が見つからない自信があるのだ……。  先野にはそれが妄想とは思えない。  火事で死んだ俵本衣緒が、交友関係のもつれで殺された、という可能性――たとえば、外井涼雅と付き合う前の、元カレとかから復縁を迫られていた、などというのは、先野の調査では、見つからなかった。  ただの放火魔の犯行か、それとも関係者の犯行か、いまのところはどちらともいえないが、千咲がグレーであるのは感じられた。  しかし――。
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