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探偵である先野の仕事は火事の犯人さがしではない。気にはなるが、それを調べるのは警察の仕事であり、探偵が首をつっこむ話ではない。なにせ一文の得にもならない。
依頼者はけして安くないゼニを払ってくれている。私立探偵はそれに応えなくてはならないのだ。
絶倫亭主は、外井涼雅三十六歳。大学を卒業後に入社した大手損害保険会社に勤めるエリートビジネスマンだ。課長に昇進して、人生を謳歌している勝ち組である。子供がいないということもあって、家庭を顧みるよりも火遊びに夢中だ。
前回は先野のサブとして、若い探偵がついたが、今回は一人であった。一人でじゅうぶんと判断されたのだろう。
とにかく改めて調査プランを練り、行動開始である。
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