おやすみ

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   昼下がり、僕は肩の重みで我に返った。  昼食後に日向ぼっこも兼ねて中庭のベンチで読書をしていた僕の横に、いつ来たのか君が僕の肩を枕代わりにして昼寝をしていた。 「首、痛くならないのかな?」  僕が君に手を伸ばそうとすると、バランスを崩した君は今度は僕の膝を枕代わりに熟睡する。 「これは起きそうもないな」  予鈴が鳴るまで寝かせておいてあげよう。  僕は読み掛けの本に栞を挟むと、君の髪を優しく梳いてあげた。  サラサラでふわふわな君の髪は触っていて、とても心地が良い。  僕はフッと笑みを浮かべた。 「おやすみ、茜」  後10分しかないけど、いい夢を見て欲しい。  今日はのんびりとした昼下がりとなった。 END
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