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「久しぶりだね」
私の顔を見て、あっちゃんは一瞬とまどったように見えた。
「どうかした?」
「えっ……いや、久しぶり。今日は来てくれてありがとね」
「ううん、いいの。それよりどう? 元気だった?」
私の呼び掛けに、あっちゃんは子どもにミルクをあげながら、すぐにこれまでと同じように返事をした。
「まあね。この子が出来てからは忙しすぎて、自分がどうかなんてわかんないかも」
「そうなんだ。大変そうだね。旦那さんは今日は仕事?」
「うん。急な仕事が入ったとかで。せっかく悠希が来るって伝えたのに、残念だな」
「旦那さん、私のこと知ってるの?」
「結婚式の時に会ってるから、知ってるはと思うけど」
「そう、なんだ……」
――そうだよね。知らない筈はないよね。
だって、私は……
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