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「家から決して出てはだめよ」
少女は母にきつく、きつくそういわれていた。
少女の父は夜、耐えられずに外に出て、そして、村人たちに捕まり、杭に打たれ、幽閉さえれ、そして死んだのだという。
「だからあなたは決して外に出てはだめよ」
しかし、母の言葉に逆らい、少女は家をでた。
母親が昼間寝ている間にも、何やらぶつぶつとつぶやく夜にも。
そしてひどい目にあった。
少女を見るとみなは一様に悲鳴を上げ、一目散に逃げだした。
中には石を投げてくるものもいた。
少女は石を浴びた。少女の白く透き通るような肌は赤々と色を変えた。
どうしてそんな仕打ちを受けるのか、少女にはわからなかった。
「私たちは、そうやって生きていくしかないのよ。昼間は光におびえて眠り、夜はこうしてひっそりと、気づかれずに過ごすの」
少女に優しくしてくれたものもいた。
少女が大好きだったその子は、気が付けば少女の身長をぐんと追い越し、年老い、そしてあっという間に死んでしまった。
その子供と言われた者たちは、他の人と同じように少女に石を投げた。
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