第七話 邂逅する者、惜別する者(4)

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「取り敢えず、こちらのオーナーに確認を取りますからお待ち頂けますか?」  溜息交じりに告げ、ミヤコはフロントに向かった。  時を同じくして、疲れ切った様子でオーナーがバックヤードから姿を見せる。  結果は言うまでもなかった。 「申し訳ありません。同業者を当たってみたのですが…」 「貴方方の非ではありません。我々が嵌められたようですから…」  ミヤコの言葉にオーナーは堪らず悲痛な顔をした。  それを見て、彼女は確信した。 「…嫌がらせですね?あの騎士隊長にも脅されたのでは?」  そう耳打ちするとオーナーは項垂れてしまった。  全く正直な人である。 「どうか気に病まれないでください。私達も警戒が甘かったですから」  そうは言いつつも、内心ミヤコは行き詰まっていた。  このまま富豪の家に世話になるのは、策に嵌ったようなものだ。  頼りのベールクオン城も騎士隊長が何やら手引きしているようで、実際は空いているのだろうが当てには出来ない。  ―――さてさて、どうするか。  考えあぐねていた時だった。  不意にロビーが静まり返り、何事かと振り返った。 「やはり、こちらにおられましたか」  その声は目が合うと同時だった。  上等な誂えの帽子を取り、頭を下げた姿にミヤコは呆気に取られた。
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