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そんな石が存在しているなんて。
キラキラした目で見ているとチェイスさんが噴き出した。
「お一人で行動される場合は必ず城の者に一言声をかけてからお出かけください」
「わかりました」
「それから、こちらもお渡ししておきますね」
チェイスさんから手渡されたのはスマホだった。
この世界にもスマホ存在してるの?
「こちらは携帯型の通信機でございます。本来は自身の魔力を込めて使うのですが、レイ様には魔力がありませんので俺の魔力を込めたチップを内蔵しております。ご不便なくお使いいただけるかと」
そんな事まで出来るなんて、凄くないか?
触ってみるとスマホみたいにスライドで動くけど、アプリのようなものは全くなかった。
この世界ではゲームとか存在してないのかな。
ゲーム好きな私としては少し残念だ。
「何かございましたら必ずご連絡を」
「はい」
「女神召喚の儀式を行ったということは、この世界には魔獣が存在しているということです。本来はお一人での行動は避けていただきたいのですが、不自由を強いるわけにも参りません。危なくない範囲で行動してください」
「わかりました」
「何か買い物をされる場合はそちらの通信機をかざしていただきましたら支払えるようになっております。全て王宮持ちですので、気にせずお好きなものをお好きなだけ購入してください」
なんか、凄く気が引けるのだが……。
人のお金を自由に使うって素直に喜べない。
私は別に怒ってるわけじゃないし、間違いだとしてもこの世界に興味があるからワクワクしてる。
贅沢をしたいわけじゃないんだけどな……。
そう思いながら私は曖昧に笑った。
何気なくチェイスさんの肩に視線を向けると、可愛らしいカメレオンみたいな生物がいた。
え、何アレ可愛い。
「チェイスさん、その子は何ですか?」
「え?」
「肩に乗っているカメレオンですよ!そんな子、どこに隠してたんですか!?」
寝ているにゃん太郎をベッドの上に下ろしてチェイスさんの肩に居るカメレオンに指を近づける。
チェイスさんは呆然としていた。
「何を……」
「わー!可愛い!擦り寄ってきたー!うわ!手に乗ってくれたー!」
喜びながらカメレオンを愛でているとチェイスさんが私の手の中のカメレオンを見て驚いていた。
「どうして……」
「え?」
「聖獣が……俺に見える……?」
「聖獣?」
それはこの子の事だろうか。
それにしても、『見える』ってどういうこと?
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