1人が本棚に入れています
本棚に追加
だから私はひたすらに彼女に着いて歩いた
そうしていればいつか知れるかもしれないと思ったから
そんな毎日のある日、私はバイトが長引き何時もの時間に遅れる事になった
彼女は待っては居ないだろうとわかっていたが、案の定その姿は無く私は急いで後を追った
そして遠目に彼女らしき姿を見つけた
と思った時、私は嫌悪感で顔を歪める
彼女の周りには私と同じくらいの男が立ち塞がり、ニタニタと不愉快な笑みを浮かべている
1人は彼女が逃げないように腕を掴み上げている様にも見える
私は急いで彼女の元へ走った
(早く、もっと早く)
近づけば近づくほど、私の嫌悪感は増し、怒りで震える程だ
腕を掴み上げられた彼女の頬は殴られたのか赤く腫れ上がり服は無惨に破かれていた
そして男が彼女の体を抱えあげようとしたその時、やっとたどり着いた私は持っていた鞄で力の限りに男を殴りつけた
ゴンと鈍い音がなるとよろけた男が頭を抱えうずくまる
周りにはまだ数人の男がいたが、構わず鞄を振り回し続け、彼女の手が離された瞬間にその手を取って走り出す
怒声を上げながら追いかけてくる男達を何とか振り切ろうと私も走る
が、小さな彼女の足では逃げ切れる訳もなく、あっさりと取り囲まれてしまった
「おいおいおい、やってくれたな、ネェチャンよ。」
1番に鞄をぶつけた男が怒りを顕に凄んでくる
だがここで負ける訳には行かない、と私も相手を睨み言い返す
「私の妹に手を出した報いよ。もう警察にも連絡してあるから、逃げられると思わないでね。」
"警察"の文字に一瞬怯んだ気がしたがそれで逃げる程小物でも無かったらしい
最初のコメントを投稿しよう!