hallo,world

2/10
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
気が付いたら彼は一人と呼ぶにも足りない姿でそこに居た。 辺りに並ぶのは火のない蝋燭を乗せた大量の燭台と階段の上から彼を見下ろすように置かれた一基の柩。 彼に映る世界は千年前から空気までもが止まっていた暗い、暗い女王の墓。そんな中でも頭に響くのは機械独特の唸るような稼働音。 「ここは……あぁ、そうだ……私は……」 彼、バツガルフはここが何処なのか、何が起きたのかを瞬時に思い出すことができた。 ここはバツガルフの一番の目的、圧倒的な力を持つカゲの女王の封印を解きその力を物にするという目的の最終地点、カゲの女王の封印されていたきゅうでんの最奥地、カゲの女王の墓と言い換えることもできる。  カゲの女王は封印を解いた者の意に従うという言い伝えの下、その封印を解いて女王の力を手に入れる。それは巨大化学組織メガバッテン軍団を率いる総統バツガルフの最終目的、世界征服を達成する為の重要なタスクだった。 その昔、栄えた国を一夜にして滅ぼし、四人の勇者との激闘の果てに柩の中へと封印され、柩はこの恐怖の象徴だったであろうやみのきゅうでんの最奥に閉ざされた。 更に千年の扉とも言われるその宮殿への入口はスターストーンと呼ばれる7つもの鍵を必要とし、その鍵までの道のりは一つ一つが非常に難解で、困難を極める。 その施された封印の厳重さがカゲの女王の力がいかに強大かを物語っているとメガバッテンはその力に目を付けたのだ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!