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30th week 決まってる!
あー、
いろいろあったね。うん。
目まぐるしい展開ば
ジェットコースターだな。
僕んは、目ぇ細めて
意識がとおーく
なりそーなのを
ふんばりつーつ頭下げ下げ、
お礼参りでござる。
誰にって?
「お義母さん、お義兄さん、
この度は何から何まで
すいません。転院の手続きも
任せっきりで申し訳ないです。」
ようやくな、
妻カレンの転院が完了
しやーしたっ!
九州からなもう、
民間の救急ワゴンで
1000キロ往復26時間な!!
1時間6000円すん。
汗とまらんな。
請求こえー、、
で、
転院検査終わり
カレンさんがナースさん達に
連れられ戻った
只今、
間接照明がモダーンな
個室リビングで
ゴリ強に家族会議中。
会長はおらんけど。
義理義理家族が
こっちでもケースワーカーさん
見つけて
ナシつけたんが、
シニアセレブ御用達の終末医療ん
とこってなわけで、
いくら払うねーん毎月。
「本当は、自分の院で診たいが、
産婦人科だけではな。ただ、
担当往診医としては顔を効かせ
られる。まだ僥倖だろう。」
お堅し長男さまは、
デカイ
インテリソファーで
渋々顔で言ってはりますね。
「はは。お義兄さんには、
これからもお世話になります。」
汗をかきかき、
相づちっとくけど苦笑いな!
そりゃ
いくら150平ん、バスルームに
ダイニングミニバー付き。
窓には
植栽有のルーフって、
なんじゃ、こりゃ?な
マーベラスん施設をもってもぞ、
高貴高齢者様が殆どの
ホスピスに、
在中の産婦人科医はーさすが
おらんわな!
あ、やけど特別室ってとこが
まだあって、
そん個室にゃ常駐ナースルーム
あるってよ!マジかー。
「カレンの為なら、どうって
ことない。兄妹だからな。」
だよねーー♪
全員筋金入シスコンっすもんね。
カレンさん、
良かったね。愛されとんよ。
そんでも
塾経営の次男知り合いツテ
捻り出して、
このホスピスば
入れとんは何が為せる技か?
一重に金な。
とわいえ
義理義理家族にゃ
感謝しかなねーよ。はい。
「終末医療ホスピスってのは、
一昔前はなかったんだろ?
医学の進歩にともなって
介護経営とか体制ができたの
だって、ほんの数年だぞ?
転院先が見つかって様々だ。」
この次男兄さんは、
個室にある
ライティングデスクを
弄り終わっと、
僕ん隣に座って
文句いいの長男ヤローを
睨みながら苦言ねー。
ほんまな、
会長なんか、
自社経営の終末医療施設を
いつんなるか解らんでも、
造るって
言い始めとんよ。
「脳死状態を受けいれんのも、
ハードル高かったもんな。」
腕組んでシタリ顔んの、
脳筋レスラー3男んセリフに
「不可逆的な全脳機能不全、
それもゆくゆくだ。」
また長男が食い気味に
ソファーから身ぃ乗り出して
3男の鼻をつまみ上げよん。
「あぢだだだだ」
「貴方たち、少しは静かに
なさい。カレンがゆっくり
出来ないでしょ?検査も終わっ
て、ようやく休めるのよ。」
4人兄妹の女王、母カツコさんが
パコパコとホスピスん資料で
息子ん頭を叩いていった。
こーゆーとこは、
会長婦人ゆーか普通の母親って
感じか?
ま、、わからんがな。
「あ、僕、珈琲入れますね。」
僕んは立ち上がって
ダイニングミニバーんとこの
ポットで、
さすがマーベラス施設!
種類豊富なスティック珈琲
淹れるん口実に、
ワイドベッドで眠るカレンの
睫毛長い寝顔を
盗み見る。
「アマネ!手伝うかー。」
脳筋3男、うるへー!
でもきっと、
僕んが婿って来るまで、
使いっぱは
3男やったんやろー名残よな?
プロレス技かけよる割に
なんやかんやしてくれるんよな。
ゆーてなんやが、
今回んことで義理義理家族が
近くなった気ーはする。
「スティックなんで大丈夫です」
応えもって、珈琲いれーので、
改めて
延命措置色々してるカレンを
見て、周りを見る。
脳死か。
脳死って全ーん部そうなるんじゃ
ないみたいで、
臓器提供するんなら脳死って
診断で、
せんなら全脳機能不全って
診断にする
みたいな?らしい。
それ何基準なんって、
僕んは思ってもうた。
よーわからんが、
大脳とか小脳ばに問題あるのんは
希に
回復見込みあるかも?で、
昏睡の植物状態とか。
が、
妻カレンは残念ながら
脳幹とかゆーとこが
どーちゃらで
だんだん大脳とか小脳とか
まあ、
全脳機能不全?ゆーことに
なっていく、、、んかな、、
やから
心臓ー動いとっても
脳死判定ってのもあるんか?
って頭ん過った。
白い巨塔の世界は
僕には、わかりかねる。
とにかくな?
僕ん妻カレンは、他んのとこは
動いてっから
人間すごいもんで、
体が状態を保つよーにすっからに、
長期脳死とかになり得るそーだ。
なんか
あんま考えっと胸が、つまる。
きっと夜んクラブで
事情聴衆まがいんこと
してるほーが、よっぽど
泣けんで、いい。
「お待たせしました。どうぞ。」
備えのトレーに珈琲やら、
救急ワゴンさんの手土産で
余った焼き菓子さー載せて
ローテーブルに出す。
「あの、、これ、、」
と、
ローテーブルに妻カレンが
置いて行った紙が拡げられて
僕ん方が
心臓とまりかけた。
「アマネ、あの日家に忘れて
行っただろ?これには、カレン
のサインがある。アマネが
サインすれば離婚成立だろ。」
長男さんよ、
「どういう、意味ですかね、
子ども、生まれるんですよ。」
離婚届って、
「おまえの浮気うんぬんで、
カレンが用意したのか、他の男が
いて、その子どもがカレンの中に
いるのかとかはさ、今となる
と、わからんわけでもある。」
次男はさ、
「ようは、アマネは今のカレンに
とらわれなくていいってこと。」
3男までか、
「ごめんなさいね。このタイ
ミングで、アマネさんは考えて
もいいんじゃないかしらって。」
そうして
ただただ、姑の台詞に肝が冷えて
いく感じに手汗。
珈琲はちゃんと人数分淹れた
けど、前言撤回なんか?
滑稽やな。
カレンの生殺与奪を
これからつきつけられるのに、
「僕は、、どうか、
離婚しなくてもいいですか?」
細胞的に繋がりのない
僕には
枷をつけんでええって
「出来れば、したく ない、です」
他人になる
分岐迫られとる。
「カレンさんが、、 思っていた
ことがあったとしても、、、」
こんな
残酷で優しいDNAが、みんな
みんな
僕には なくって
本当、、カレンっぽいな。
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