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29th week いったいどーなってる?!
不思議なもんな。
後ろ姿ばっかで顔も見えんのに、
だーんだん
カレンの
何や言いたいこと、伝わるよーに
なっとんよ。
そんなん考えたりしつつ、
無造作に拾ったモンに目ぇやる。
「、、あ、これ
義兄さんとこじゃあ、ねーんか。
て、そりゃそーか。
知っとりゃ義兄が放っとかん。」
タモツんメッセージ表示の電話ん、隣に並べた
白黒の写真ん。その端っこ。
『瀨柄レディースクリニック』
なる印刷がしとんの。
まー、ふつー?
兄貴ん産婦人科なんざ
行く気になるかってっと、
どんな名医つっても
妹心になりゃあ、微妙ーぞな。
あの義兄に妹いえど、
股開げられるなんざーー、
夫心的にぃ↘️
僕ん腹にゃ魔王生まれそーやぞ。
「カレンさん、
(*^ー゚)b グッジョブな゙!!」
僕は、とりあえず
目ん前の 妻's後ろ姿 に
よくぞ兄病院を避けてくれた!
と言わんばかりに
親指を
ビシィーーっと立ますが、
何か?
まあ、返事なしは言わずもがな。
しっかし、
母子手帳やら妻カレンが
九州に持っとって、
引ったくられた所持品ら
全ーーーん部、
警ー察から戻ったモンは
一切合財、義理義理家族んとこ
再押収されたよーなもんなんよ。
「いっちょ、調べて
タモツんとこ行く前ら、
ここん場所に顔出すかの。」
僕は
チョチョイチョイと電話で、
『瀨柄♀クリニック』なる
名前ば ゆーて、AIちゃんに
車んナビへ入れもらうと、
後ろ姿の妻カレンを見やる。
「カレンさん、僕、パパで
ええんやんな?ほんまは、
違うーとかゆーても信じんよ。」
物言わん妻の背中に
独り言ってのんも慣れたなーー。
はい!
気ー取り直して
ジャケット羽織っと、
子犬コンシェルジュがおる
エントランスに
僕んは戻ったんな。
で!!
「すまん、タモツ!何から何まで
世話んなる!埋め合わせするな」
耳イヤホンに向かって
片手で謝る僕は、
もう片方でハンドルを握って
運転中ーかーらーのー、
『別にかまわんよ。オレも顔を
売る機会になるからな。じゃあ
明日又、いつもの所で合流な
と言いたいが、明日は早めに
出てくるか、電車を使えよ。』
タモツからの謎のアドバイス、
絶賛受け身中。ですっ!!
「何で?なんで?何か験担ぎ?」
『いや、事故で迂回順路に
なってる。タクも、いつも
より時間かかってるからな。』
ナビが示したんは、
車でなら遠ぉないビルなんね。
ハンズフリっといて、
明日に備えて
頭に迂回地図浮かべる。
まあまあ、
あの辺りは庭やかんね。
「ありゃ、また工事故か?」
『いや、原因不明の崩落事故だ。
地下街まで崩れ落ちてるとか』
お、タモツ忙っしそー。
バックでタモツオーナー呼ぶ声。
「こえーな。そっち新しいホテル
建ててるとこだろ?大丈夫のー」
『外資系有名ホテルグループ
だから大丈夫じゃないか。
ま、そんな訳だ。早目に出て
こいよ。明日は遅刻厳禁だぞ。』
よもやの遅刻釘、ガッスガッス
刺された。
「ラジャー。」
電話をぷっつん切って、
ビル地下の駐車場に回し入れる。
さすがにオフィスビルは
キー渡して、ヨロシコって
わきゃーいかんぜよ。
ん?待て待て。
これから行くクリニックしたら、
僕んのパパン?(やと思っとる)
身分証て、
胸ポケ入れとる
白黒写真だけよな?
電話搭載のAIちゃんが
調べてくれたフロアーに向かった
はいいんやが、
なかなか重大事項に
僕って、今更気ーついた!!
「よーく考えっと、僕って、
1度も顔出ししとらん、
グズパパって思われるん?」
最低ーぞ、、この体たらく、、
「もっすごい気分下げー。」
それでも、しゃーない。
僕は
めちゃめちゃオサレな
レディースクリニックの受付で
事情を話した訳ね。
そりゃ、必死によ!!
んで、通じたんか
真っ白いフロントからの
院長様の部屋へご案内に
なんとかっ至り、
僕のグズパパレッテル感は
巨大MAX!
『どうぞ。』
中から掛けられた女性ん声に
恐る恐る
中に入る。
「あのー、、」
まあ、お約束な。
ハイバックチェアを、くるりと
回して現れた院長レディ顔を
暫し凝視。
見たーー。この人見たーー。
ババ多い招待客の結婚式で
見たーーー。
「ようやく、来たわね。
貴方とは、随分お久しぶり
ですね、と言うべきですよね、
アマネさん。カレンとの結婚
式以来になるのかしら?」
ショートヘアーの出来そーな
レディが『瀨柄』のプレート
付けて不敵な笑いを
湛えとるがな。
そっか 、妻カレンはここに来て
たわけね。うん、納得。
でも婦人科クリニック経営とか
覚えてましぇん。
アカン営業マン失格!!
「申し訳ないです、セガラ院長。
いや、妻カレンの親友、
セガラさんですよね。
遅くの挨拶となってしまい
ました。僕達の結婚式では、
ゆっくり話も出来ませんでした
から、改めて会えましたのは
嬉しい 限りです。
妻が御世話になっております。」
丁重に
挨拶、お詫び、再会に感謝。
この3段活用礼句を発動!!
見た目が優しそーfaceに
騙されたらアカンタイプ遭遇!
「いつになったら、カレンが
打ち明けるのかと思ってたわ。
ホントはカレンと政略結婚
でもしたの?って言いたい
ところよ。それでカレンは?」
けっこー下手にライフ抉る
台詞の攻撃!
くっ。
困った。そりゃそーだ。
妻カレンは?って聞くよねー。
てっきり
知り合い
クリニックなんかじゃねーだろ
と思ってたんが
下手打った。
「・・・」
「何?ヤシロが、まだ嫌がらせ
してるから、カレンは連れて
ないの?ホント、あの女。
学院時代から、何かってカレン
と張り合ってたけど最低ね。」
は?!!!今なに?
語るに落ちる自滅ループに
セガラ院長が入ったか?!
「あの、ヤシロとは?」
「ヤシロ・スズネ。私もカレンも
同級なのよ、学院の。いっても
派閥っていうか、仲がいいグル
ープじゃない。むしろ逆。」
「犬猿の仲、ですか。」
「私達は気にもしないけど、
あっちは違うみたいだわね。
今更、何の嫌がらせか、
貴方との画像を送り付けて
きたんでしょ?イヤな奴だわ。」
爆弾投下!!チュドーンな!
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