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タクシーでオフィス近くに
とんぼ帰りした僕は、
電話の相手、
キヨヒコを
エントランスで、取っ捕まえて
目下焼き鳥居酒屋で
生!とはならず、、
透明な板ごしに、ジンジャエールで乾杯をする。
「アマネ、おま、いいのか?
カレンさん実家帰ったって?
とうとう、呆れられたか?」
キヨヒコは、心配する素振り
どころか
かえって悪そうな顔を
透明板ごしに
僕にして見せながら揶揄る。
「やめろって!それじゃ、まるで
僕が浮気常習犯みてーだろ!」
ちょうど、砂ずり三本を
持ってきてくれた店の女の子に
「ありがとね。」と
ウインクしてみせた僕は
心外だとキヨヒコに
訴えた。
「よく言うよ。アマネ、うちの
社内で何て言われてるか、
知ってるか?俺こないだ初で、
聞いて、マジ引いたぜ。」
ついでとばかりに、
キヨヒコは
今の店の女の子の赤い顔を
指差して、エールを煽る。
エールっつても、
ジンジャーだがな!
「営業1課の王子さまか?」
あーゆー、反応は日常茶飯事。
ウインクも癖みたいなもんで、
ルーティンだかんな、と
僕もエールをイッキ飲み。
「馬鹿!『ハニトラダンディ』だ
って!な、引くだろ?ハズイよ
俺は。営業ライバルの2つ名
のシモさに、ハズすぎる。」
「ちょっ!それイタリアダンディ
っぽくね?やりぃ~!ほい!」
僕はポーズだけ頭を抱える
キヨヒコに、片手ハイタッチ
(`・ω・)人(・ω・´)を板ごしに
要求した。
「な?アマネ、マジ収拾つかなく
なる相手はやめとけよ。
それこそ、取引先のお嬢様
なんかは、カレンさんで充分
だろ?それも今は危ういし。
な!部長代理1課長さんよ。」
キヨヒコも、すかさず
ハイタッチに応えてくるから、
結局いい奴だ。
「あんな、僕も弁えてるっ
つーの!てかさ、ハニトラって
冤罪じゃね?やってねーし。
枕で、どーにかなるほど、甘か
ねーのは、キヨも分かるだろ」
キヨヒコとは学生時代からの
ダチで、一緒にホストバイトした
時も、2人で頂点めざした
けど、あっけなく撃沈した
ライバル同士。
それは、社会人になって
同僚になっても変わんない。
「まあね。アマネの見てくれは
俺の次でも、トークは断トツだ
ったからな。でも、女受けが
いいのも本当だろ?
で、アマネは何をしくった?」
キヨヒコは営業2課長。
お互い、この年で課長だから
かなりバリキャリ昇進組だ。
まあ、
夜の人脈駆使しての成り上がり
だけど。
「おい!この面、捕まえてキヨの
次かよ。あ、でな!いつもなら
タモツん店で接待して、若いの
ん宛がえたら、上手くそっちに
シフしてくれるのが、珍しく
流れてくんなくてさ。ちょうど
例のプロジェクトの取引奥だか
ら、ちょっとゴネ気味かも?」
タモツは、同いのホスト時代
同僚で、
今は店を任されてるから、
僕はそこを大いに活用してる
わけ。
「アマネさ、カレンさんと、
結婚して4年だろ?よく猫とれ
ないよな?子供もまだだろ?
リアル仮面夫婦ってやつ。」
僕を揶揄する割には、
キヨヒコもバイト癖が抜けなくて
今も、
後ろから僕達を
チラ見してくる女性客に
いー顔して
手をヒラヒラ振っている。
こいつも歩く好害だな。
「猫っつてもな。僕は素が癒し系
なんだよ!リアル仮面夫婦でも
ねーし。白い結婚?でもない!」
ややヤケクソに叫んで
僕がグラスをタンっ!!と
机に置いた途端、
電話が
メッセージバイブを鳴らす。
ジャケットから出して画面を
見た僕は今日何度めかの
雄叫びだ!
「げ!なんだよ!それ!」
その言葉に
僕がガン見する画面を
キヨヒコがヒョイと板ごしから
取り上げ
「『彼方が知らないだけ。
アタシも
彼氏のとこにいきます。』
だ!?
おま!カレンさんも浮気してた
ってことだろ?はい離婚確定!」
AI読み上げよろしく、わざわざ
メッセージを音読しやがった!
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