16th week バレた!!

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顔面蒼白になった僕を見て さすがにキヨヒコも 惨めに思ったのか 「アマネ、これ、カレンさんの とこ行った方が良くね? 何なんらさ、 俺も行くし。」 そう言い出し、 せっかくオーダーした焼き鳥の 支払いを全部やってくれた。 持つべきはホスト時代の友よ。 気が付いたら、ご丁寧に タクシーで会長んち まで 引っ張っり出して、連れたまま 今に至り、 「で、うちの営業1課長と2課長。 もとい、我が社のエリート 『ハニトラ男』と『歩く好き魔』 が雁首揃えて、やって来たわけ か?!この恥知らずが!!」 リアルで、唾を浴びながら 僕とキヨヒコは 家族会議という名の 断罪の場に立たされている。 「「申し訳ございません!!」」 キヨヒコは思いっきり、あれだ。 巻き込まれ事故、もらい事故だ。 隣で一列に並んで 土下座をする相方を 横目で見つつ、僕は心中で 謝るしかない! 許せ!同士! 「うるさい!!お前等みたいな、 叩き上げの営業がする、土下座 なんてな!視聴率のパフォーマ ンスにしか思ってない事ぐらい 分かっとるわ!見くびるな!」 くそ!その 叩き上げパフォーマンスで 年収何10億も僕達営業やらなんやらが稼ぐつーのもわかってだろ。 てか隣のキヨヒコからも 舌打ち?だよねー。 「じゃ、すんません。やめます」 「お見苦しいなら右に同じです」 僕達は揃って、土下座を すちゃっと解放。 引き際も鮮やかがデキる営業だ。 でもこれ 自流、故に真似すんな!少年達! は、おいといて。 すぐさま、ドデカいソファーに 正座して次の擬態へ。 もちろん、両手は握って 膝の上。 いつでも腹切りできますポーズ。 これもお約束だけど、。 「して、お前のとこにはカレンが 何て連絡してきてるんだ。」 そんな僕達を忌々しそーに 会長は腕組みをしつつ、 向かいの ソファーから、 僕の電話を取り上げると 表示されたメッセージを見た。 同僚だから、キヨヒコも もちろん知ってる会長んち。 キヨヒコがこれまた 支払ってくれた 馬車ならぬ、タクシーで 白亜の豪邸の車寄せに 乗り付けると、 何時間か前に くそ電話を取り次いだ お手伝いのシモセキさんが、 出て来て開口1番 「坊っちゃま方も、お集まりで ございますので、御覚悟を。」 とかいう? な、感じで来たもんだから、 僕は青ざめ、キヨヒコが 逃げ出さなように、 奴の首根っこを引っ付かんだ。 毒を食らわば皿までだろ?! 僕は入り婿だけど、 別に妻が一人っ子でも 会長の子供が娘ばっかりでも ない。逆からの。 妻には兄が 3人いる。 お堅し 御医者に、 熱血塾校経営バカと、 脳筋プロレスラーって、とこだ。 多才だなおい! クールビューティーな義母、 カツコさんの産み腹の采配に 恐れ入るわ! お手伝いのシモセキさんに 案内された、 いかにも金持な広い応接ホールで 待ち受けていたのは 家族会議中の、妻の兄3人と 会長に、会長夫人。 そんなわけで、 「『彼方が知らないだけ。 アタシも 彼氏のとこにいきます。』 と、カレンから送信されたと。」 お堅し医者の長男様に、再び AI読み上げよろしく、 メッセージ音読されている間、 僕とキヨヒコは、 ドデいソファーの上で 器用な脳筋プロレスラー3男に 技をかけられていた。 「ギブギブギブギブ!!」 「ロープ!ロープ!ロープ!」 首が締まる!落ちる! 僕とキヨヒコがソファーを バンバン叩くのを 「ん?カレンを泣かす奴に、 情けは無用だ!アマネ落ちろ」 脳筋3男は笑顔で両腕に力を入て、 それを実況する熱血塾校バカ。 「あーっと!アマネ落ちるか? 落ちるのか?タァイムアウトォ」 くっ!なんとか生きてた。 だから実家は嫌なんだ!小舅達が ロクなもんじゃねー。 「僕はァ!やってましぇん!」 首が絞まりすぎで、 口カラカラでも、 そう、白亜の断罪劇で 僕あ、冤罪を叫ぶ。 キヨヒコもゼイゼイと 肩で息をしている。 戦友よ。 「今更でしょ?!」 熱血塾校バカが、言いたいだけの セリフを吐いた。 やめろ、そのポーズ! そこへ、お堅し医者長男が カタンと 大理石のローテーブルの上に 妻の電話を置いたのだ。 なんだ?この事情聴衆感ありあり の雰囲気。ブツもあるゾな感じ。 「どうして、カレンさんの電話 ですか?カレンさんが、」 取り調べ官5人を相手に、 僕はまず、浮かんだ疑問を ぶつける。 「本人が置いて行った。」 生真面目そうな長男様が、 コツコツと指で電話を示す。 「置いて、、行った???」 その電話よりも、 僕は妻が電話を『置いて』と 言われた言葉の方に ひっかかる。 「カレンがなあ!部屋から消えた って、親父が言うからオレ達が 集まったんだぞ!!義弟よ!」 とうとう、脳筋3男が 大理石のローテーブルを ぶっ叩いて、僕を非難した。 大理石素材厳選の理由は、 脳筋か?いやいや、今は それじゃねーし!! 「そうだ!!しかも、その画面を わざわざ表示させてだ!アマネ お前の手腕は買っている。が、 いつまでも枕紛いなやり方が 通用すると思うな。年取れば そんなもん屁のつっぱりだ!」 こんな時に、会長の顔と親の顔を 混同させられてもだよな。 ん? 今脳筋が『消えた』とか ほざいたか? 「あ、おい!アマネ!なんだよ この写真!撮られてんぞ!」 各々が責め立てる中で、 思考がフリーズしている僕の、 肩をがしがしと、 キヨヒコが掴んで揺らす。 「黙れ!歩く好き魔!!」 会長が叫ぶのを掻い潜って キヨヒコが大理石から電話を 引ったくる。 けど、それよりも重大案件発生に僕はキヨヒコの頭を押し下げて 「カレンさんが、消えた?!」 会長にタメ口で聞い、 ちゃったな。これが、 「えー、ヒドイよ。下手したら 流血もんだって! アマネ見ろよ、これ、おま、」 頭を上から押し下げ過ぎたのか、 もう少しで大理石に キヨヒコの額がぶち当たるとこ だったらしいが、 問題ない。問題はこっちだ!! 「あの娘、よっぽどだったのね、 部屋にこもってると思ったら 電話を置いて出て行ったのよ。 初めてだわ、家出なんて。」 それまで静観していた クールビューティーな義母の カツコさんが足を組み換えて、 僕を哀れむ様に見る。 「アマネ、いつの間に、社内女子 にも手を出す宗旨変えした?!」 そう言って キヨヒコが僕に見せてきた 妻の電話には 我が企業受付嬢と僕の、 口付け盗撮写真が待ち受けに されとる がな!!
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