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『ダン!♪ダダダダダダーーーン♪!ダルダダ♪ダルダダアアン』
「あっ!あぁー↗️。これはですね
我が課の忘年会にですね↗️、
何故か、受付のヤシナ女史がぁ
混じってましてぇ↗️。えらく
酔いつぶれとりましたもので
何故か、僕がタクシーを拾う
流れになり、道でヤシロ女史に
襲われた案件ですねぇ↗️↗️」
ピアノ曲・革命のエチュードが
鳴り響く中
僕は必死に説明をする。
はい。全く濡れ衣なんです↗️!!
脳筋レスラーに再び絞められ
ながら
懺悔する僕を尻目に
キヨヒコは、
突然鳴り響くピアノの傍らへ。
「会長ご子息さまは、さすが
ピアノも嗜んでいらっしゃる
とは!素晴らしい音ですね!」
え、
頭ん中で
ショックからの
妄想BGMだと思ったら、
僕の
義長兄が弾いてた曲なの?!
「何、手習い程度。名器なれ
ば私の手に馴染んでいい音を
出してくれるものだよ、君。」
茶番だ!!キヨヒコの逃避だ!!
「いやー、クラブピアノしか
聞いたことないんで!いい
名器が奏者を助ける!なるほど
産婦人科医をなさる
ご子息の言葉は深くエロイ!」
あぁ、失言ジョーク。だだ滑り。
全員のジト目が痛い。
主に、キヨヒコに。
「う、え、あー。失礼しました」
まるで放送事故よろしくな
アナウンサーみたいに
誤魔化し
再びデカソファーに鎮座する
キヨヒコが
「あー、アマネな、
『うちのハニトラは、社内女子
には手を出さぬ』が、暗黙の
了解だったろ?これ出回りゃ、
なし崩しの総当たり戦が
社内で繰り広げられるぞ?」
何ーんにもなかったように、
妻の電話待ち受けを印籠に
僕ににじり寄る!?
鋼の話術師だなっ!
「ううーっ。」
でも、
ぐうの音も出ない。なぜなら
僕、首絞まってるし。
酸素の足りない頭で
考えてもすぐに
キヨヒコの言い分は、わかる。
実際すでに、
妻んとこに
誰がしが、
送り付けてる=社内広報されとる
ぐらいは思わねばならん
事案だ。
さすがに目を白黒させる
僕に、
「お前が我が社で蟻地獄に落ちよ
うが知ったこっちゃないわ!!
カレンが傷付いて家出したん
ぞ!!落とし前つけろや!!」
たちどころに
会長の雷が落ちて
一瞬、
大理石に日本刀がぶっ刺さる
幻覚がみえた。
「父さん、落とし前の前に、
カレンを戻さないと、このバカ
との離縁も進められませんよ。」
さらりと、
ピアノ前から戻った
お堅し産婦人科医 兄が
僕がマンションのリビングから
持ってきた
離婚届けを
指でピッと挟む。
妻の名前入りのやつね。
「あの!どうして、
カレンさんには、護衛とか、影と
か、着けなかったん ですか!」
妻が実家に帰っても、
さして焦らなかったのは、
この
濃ゆい家族達が
妻を囲うからだと
思ってのこと。
それを覆された!!
妻のおもったよりも発揮された
本気度で!
「貴方、うちを王族か何かと
思っているの?流石につけれて
ボディーガード。脅迫状でも
送られたわけでもあるまいし、
そうそう、邸の中で
付けれる訳ないでしょ!!」
義母カツコさんの呆れた声と、
脳筋3男の実現されなかった
代案が僕の耳に入る。
「やっぱり、おれの舎弟に、
見張らせれば良かったんだ!」
「プロレスラー見習いなんかの
筋肉男を、カレンの部屋に
置けるわけないよ暑苦しい。」
熱血予備校次男の尤もな
言葉に、
ふと僕は何か忘れている
気分になったんだが?
何だろう?
「でもGPS付いてるでしょ。あー
電話は置いてるか。なら、
アクセサリーに仕込んでたとか」
キヨヒコが、妻の電話を
上からと下からに眺めながて
呟く。
僕も大きく頭を立てに振った。
そうだ、なんかのチップとか
埋めてたりしないのか?
体に。
「うちのカレンは犬か!!スパイ
映画でもあるまいし!おい、
アマネ!警察犬借りてこい!
お前なら出来るだろ!!」
会長がふんぞり返るけど、
えっと、まだ僕達の方が
現実的捜索方法を提案してる
んじゃね?
「あの、、その前にですね。
カレンさんが書いてた、彼氏
ってのは、、知ってます?」
僕はようやく、
妻の濃ゆい家族達に
1番の重要議案を提示する。
「そうだ!義弟!まさか別宅に
入り浸り、冷遇されたカレンが
真の愛に目覚めたとかなのか?」
3男がようやく、
僕の技を外してくれたのに
今度は次男が、
僕の肩をガクンガクン揺らして
とんでもない
バカな台詞をぶちこんでくる。
「ま、待ってください!僕はは
別宅に愛人囲ってませんん!
お 遅くとも、朝方でもも、
ちちゃんとと、つ妻のところろ
へ、帰っててますす。」
「悲しきかな、入り婿リターン
習性だな、それ。つまり、
カレンさんに彼氏がいたことを
アマネは知らなかったと。」
ずっと僕は思ってたけど
キヨヒコは秒で、
会長家族、妻の濃ゆい家族に
馴染んだよね。
「カレンが、その彼氏が良いって
いうなら、認知するさ。なんな
らアマネ君とは別れればいい。
意外に、父さんの社内の男かも
しれない。それなら、アマネ君
と入れ替えばいいだけの話だ」
とうとう、
長兄が恐れていた事を
言い出しやがった。
「待ってください!!
カレンさんにまずは、話を!」
その為にも彼氏とやらの居場所を
突き止めねば!
僕は次男の手を振り払って
ソファーから立ち上がる。
「そうだよな。どうせさ、電話を
置いて行っても、カード類は
持って出てるわけだ。使えば
居場所も直ぐわかるよ、
兄さん。いざとなれば、顧問
弁護士から探させればいい。」
そんな僕を嘲笑うかに
次男は自分のジャケットから
電話を出してかけ始めた。
きっとこの邸のお抱え
弁護士を呼びつける気だ。
「家出っていっても、隣国とか
じゃないだろ!ちゃんと、
パスポートもあるんだな!?」
納得した顔で、3男が
控えていたシモセキさんに
部屋の様子を聞いている。
「確かに、お嬢様のパスポートは
お部屋にございますので。」
お手伝いのシモセキさんは、
難なく答えたりして、
キヨヒコが無神経な返事を
返してきた。
「隣国って、それじゃあ、
北に拉致られになりますもん
もんね。あはは、アマネ!
良かったな。カレンさん、
すぐ見つかって協議だってよ。」
キヨヒコの奴はそう言って
涼しげに
ようやく出された
高っかそうな薫りするコーヒーを
一気飲み干している。
あ、お暇カウントダウンだ!
まずい!!
いや、旨いコーヒーを
しっかり飲み干しやがって!
「とにかくアマネさん。カレンが
彼氏とやらと連れもって、戻り
次第、離婚協議に入りますよ」
戦友に何気にデスられ
旨いコーヒーに口も付けれず、
長兄の言葉に止めを刺された
僕に
容赦なく
義母の声が浴びせられ、
「待ってください!僕は!」
僕は、
3男と次男に否応なしに
羽交い締めされて、
「よし!家族会議終了!解散!」
キヨヒコが
号令する会長に一礼する中、
無惨にも
ズルズルと脇を抱えられ、
応接ホールから
引き摺り出された。
16週、終了。18週へつづくだな。
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