お姉ちゃんの言うことにゃ

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 たぶんきっと、この胸のドキドキは恋だ。一目惚れってやつだ。ほとんど読んだことないけど、少女漫画のお約束が、まさか現実に、しかもこんな、女の子らしさのかけらもない私に訪れるなんて、思いもよらなかった。  みどり姉は、私の決心に満ちた目をたっぷり十秒見つめて、大きく溜息をついた。あんたが言っても聞かない子だってのはわかってるけど、と前置きしたうえで、 「悪いことは言わないから、やめときな」  と、真正面から反対された。 「なんでっ!?」  やってみたいと言ったことを、そうやって頭ごなしに否定されたことがなかったので、当然反発した。  みどり姉は私をかわいそうなものを見る目で見つめると、「私にとって、あんたはかわいい妹よ。誰がなんと言おうとね」と言う。 「だから、あんたが傷つくのは、見たくないの」 「みどり姉・・・・・・」  傷つく? 私が? サッカー部のマネージャーになったら?  姉の言葉が理解できず、聞き返そうとした。しかし、ちょうど休憩時間は終わり、「お弁当、ありがと」と再び頭をぐしゃりと撫で、姉は仲間たちのもとへと行ってしまったのだった。
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