爽やかな春風とともに

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爽やかな春風とともに

 少し早めの春休みは、とにかく暇。  卒業式の日に、「春休みはいっぱい遊ぼうね!」と約束しあった友だちだって、結局は同じ中学に進学する。別に学校が始まってから遊べばいいや、とお互いに冷めてしまった。  お母さんは、今のうちに小学校の勉強の復習をしておきなさいと言うけれど、そんな気分にもなれない。だいたい、頑張ったところでそこそこ、頑張らなくてもそこそこなら、いっしょじゃない?  普段は見られない情報バラエティ番組をぼんやりと眺めていたら、家事をしているお母さんの小言が、ぶつぶつと聞こえてきた。  うへえ。  目をつけられる前に、逃げよ。  そろそろと忍び足で、部屋に向かおうとした、そのときだった。
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